果物の称号として広く知られているのが「フルーツの王様と女王」の対比です。王様がドリアンであるのに対し、女王の座に君臨するのがマンゴスチンです。ここで「なぜ王様であるドリアンが世界三大美果に入っていないのか」という疑問を抱く方も多いはずです。
この疑問を解く鍵は、風味覚の「万人受け」と「気品」にあります。果物の王様ドリアンとの違いを比較すると、ドリアンはその圧倒的な栄養価と濃厚さを持つ反面、強烈な揮発性硫黄化合物の臭気があり、食べる人を選びます。対して果物の女王マンゴスチンは、かつて英国のヴィクトリア女王が「我が領土にありながら、生で味わえないのは無念である」と嘆き、熱望したという逸話が残るほど、万人を魅了する清らかな香りと繊細な酸味を備えています。
分厚く硬い赤紫色の果皮を割ると、中から現れるのはまるでニンニクのひとかけらのように整った純白の果肉です。口に含んだ瞬間に広がるジューシーな果汁と、ライチや桃を思わせる高貴なアロマこそが、美果として選出された最大の理由です。