ニュースなどで「日本の世帯所得の平均値は540万円」といった報道を見て、「そんなにもらっていない」「実態とズレている」と感じた経験はないでしょうか。この違和感の正体こそが、平均値と外れ値の影響です。
平均値には「極端に大きい数値や小さい数値(外れ値)に大きく引っ張られる」という致命的な弱点があります。たとえば4人の年収がそれぞれ300万円で、1人だけ年収1億円の富裕層がいるグループを想定してみましょう。全体の合計は1億1,200万円となり、5人で割ると平均年収は2,240万円に跳ね上がります。しかし、メンバーの8割は年収300万円であり、平均値はこの集団の実態をまったく表していません。
そこで重要になるのが、平均値・中央値・最頻値の違いを理解して使い分ける視点です。
・平均値(Mean):全員の合計を人数で割った値。全体量を把握するのに向くが、外れ値に弱い。
・中央値(Median):データを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値。極端な富裕層がいても真ん中の人の年収(上記の例なら300万円)を示すため、一般的な実感値に近くなる。
・最頻値(Mode):データの中で最も出現回数が多い値。靴のサイズや人気商品の売れ筋など、「一番よくある値」を知りたいときに最適。
データを分析する際は、平均値だけを盲信するのではなく、中央値や最頻値と見比べる姿勢が不可欠です。