ネット上のQ&AサイトやSNSでは時折、「うる星やつらの最終回であたるとラムは結婚したのか?」という疑問が投稿され、一部では「最終回で結婚式を挙げた」という誤解が広まっています。結論から申し上げますと、最終回時点で二人は結婚していません。
この誤解が生じる背景には、主に以下の3つの要因が絡み合っています。
- 単行本の扉絵やイラストの印象:高橋留美子氏が描いたカラーイラストの中に、ラムが純白のウェディングドレスを着て、タキシード姿のあたると並んでいる印象的なビジュアルが存在するため。
- エピソード「扉を開ければ」の記憶:作中で描かれた「運命の扉」を巡るエピソードにおいて、無数に分岐する未来の一つとして「あたるとラムが結婚し、二人の子ども(諸星こける)が生まれている未来」をあたる自身が目撃するシーンがあるため。
- アニメオリジナルやイベントの残像:劇場版第2作『ビューティフル・ドリーマー』の導入部や、各種記念企画でのビジュアルと本編の結末が混同されているため。
作者の高橋留美子氏は、連載終了後の特別インタビューや自著・回顧録において、二人の関係性について極めて明確なスタンスを語っています。
「あたるが簡単にラムに『好きだ』と言って落ち着いてしまったら、それはもう『うる星やつら』ではない。あたるは結婚したとしても、浮気癖は一生直らないだろうし、ラムは怒って電撃を落とし続けるはず」という趣旨の発言を残しています。つまり、明確な婚姻関係という社会的な枠組みに収まることではなく、「永遠に追いつ追われつを繰り返す緊張感と日常」こそが、高橋氏の描きたかった二人の究極の絆だったのです。