刑事処分を有利に進める鍵を握るのが「示談金」ですが、業務上過失致傷における示談金相場は、被害者の負傷度合いや後遺障害の有無によって劇的に変動します。
・打撲や軽度の捻挫(全治数週間程度):30万〜50万円程度(治療費実費・休業損害別)
・骨折など入院を伴う重傷(全治数か月):100万〜300万円程度
・重度の後遺障害が残る重大事故:数千万円〜1億円超(逸失利益・将来介護費含む)
業務中の事故である場合、被害者が同僚や部下であれば労働災害(労災保険)が適用されます。労災から治療費(療養補償給付)や休業損害の一部(休業補償給付)が支給されるため、加害者個人が全額を自己負担するわけではありません。ただし、労災保険ではカバーされない「慰謝料」については、別途示談金として支払う必要があります。
また、民法第715条に基づき、雇用主である企業には「使用者責任」が発生します。労働契約法第5条に定める安全配慮義務を怠っていた場合、会社自身も多額の民事賠償責任を免れません。従業員個人の刑事責任と、企業の民事・行政上の責任を正しく切り分け、会社側が加入している賠償責任保険を速やかに活用することが解決への近道となります。