そもそも、なぜ目に向かって空気を吹きつける必要があるのだろうか。その理由は、眼球の内圧、すなわち「眼圧」を測定するためだ。
眼球の中には「房水(ぼうすい)」と呼ばれる液体が常に巡っており、これが風船のように内側から張力をかけることで、目が丸い形状を保っている。非接触型眼圧計(アプラナショントノメーター)は、角膜に微小な空気を吹きつけ、その風圧で角膜がほんのわずかに平らになる(平坦化する)瞬間の時間をセンサーで測定している。
角膜が固ければ(眼圧が高ければ)、風でへこませるのに強い圧力や時間が必要になる。逆に柔らかければ(眼圧が低ければ)、少ない風圧で簡単にへこむ。風自体が物理的な破壊や痛みを及ぼすことは基本的にない。しかし、目という超敏感な部位に風圧がかかるため、脳がそれを「衝撃」として強力に認識してしまうのだ。