湖畔の静けさに耳を澄ませると、風が木々を揺らす穏やかな音が聴こえてくる。この場所は、日本中で愛される名曲「千の風になって」が生まれたゆかりの地でもある。芥川賞作家であり作詞・作曲家の新井満氏は、この大沼の豊かな自然を深く愛し、湖畔にログハウスを構えて創作活動の拠点とした。
アメリカの無名詩を訳詩し、美しいメロディを付けた背景には、この地に漂う凛とした空気とどこまでも穏やかな湖面の存在があった。公園内には記念モニュメントが佇み、訪れる人々が静かに佇んでいる。渡り鳥が羽を休め、季節の風が吹き抜ける空間に立つと、楽曲に込められた生きとし生けるものへの温かい視線が、時を超えて胸に迫ってくる。