荒木飛呂彦氏による傑作コミック『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン(SBR)』。過酷な北米大陸横断レースを描く重厚なストーリーの合間、突如として放たれ読者の脳裏に強烈なインパクトを焼き付けた迷曲が、ジャイロ・ツェペリの歌う「ピザ・モッツァレラ」です。
「ピザ・モッツァレラ レラレラレラレラ……」という一度聴いたら耳から離れない謎のリフレインは、単なるギャグの枠を越え、2026年の現在に至るまで国内外でネットミームとして愛され続けています。本記事では、この伝説的シーンの元ネタや歌詞の全貌、相棒ジョニィ・ジョースターの秀逸なリアクション、そして世界中を巻き込んだ熱狂の背景までを余すところなく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:「ピザモッツァレラ」は原作コミックス第9巻に登場するジャイロ自作の即興ソングで、後半には「ゴルゴンゾーラ」のフレーズも続く。
- 要点2:過酷な死闘が続く旅路における「緊張と緩和」の役割を持ち、ジョニィとの独特な信頼関係を深める重要シーンとして機能している。
- 要点3:ゲーム版の音声化や海外ファンのMAD動画によってグローバルな大ヒットミームへと進化し、SBRアニメ化においても最大の注目シーンの1つ。
【原作何巻何話?】「ピザモッツァレラ」が登場する名シーンと歌詞全文
この迷曲が披露されるのは、単行本コミックス第9巻収録の「#38 嵐の夜がやってくる その①」(『ウルトラジャンプ』2006年6月号掲載)です。遺体を巡る壮絶なスタンドバトルが繰り広げられる中、夜のキャンプ地で焚き火を囲みながら、ジャイロが不意にオリジナルソングを口ずさみ始めます。
原作で描かれた歌詞の全文は以下の通りです。
「ピザ・モッツァレラ♪ ピザ・モッツァレラ♪」
「レラレラレラレラ♪ レラレラレラレラ♪」
「ピザ・モッツァレラ♪」
「ゴルゴン・ゾーラ♪ ゴルゴン・ゾーラ♪」
「ゾラゾラゾラゾラ♪ ゾラゾラゾラゾラ♪」
「ピザ・モッツァレラ♪」
伴奏は一切なく、手拍子とアカペラのみで歌い上げるジャイロ。イタリア・ネアポリス王国出身の彼が、母国の代表的なチーズをただリズミカルに連呼するだけの極めてシュールな構成ながら、読者を一瞬で脱力させる圧倒的な引力を持っています。
【元ネタと意味】なぜジャイロは歌ったのか?荒木飛呂彦の真意とギャグの理由
多くの読者が気になる「実在する楽曲などの元ネタがあるのか?」という疑問ですが、公式に特定の既存曲を模したという記録はなく、荒木飛呂彦氏による完全なオリジナルギャグとされています。荒木氏は大のイタリア好きとして知られており、イタリア料理や食材に対する愛着が、ジャイロの出自(ネアポリスの法務官一族)と結びついて生まれたフレーズです。
では、なぜジャイロはこのタイミングで突然歌い出したのでしょうか。物語の構造として、主に2つの重要な理由が読み解けます。
1つ目は、極限状態における精神の解放(コーピング)です。大陸横断レースは一歩間違えれば命を落とす過酷なサバイバルであり、常に命の危機と隣り合わせ。そんな張り詰めた空気の中で、ジャイロは下らない冗談や歌を口にすることで、自らの正気とメンタルを保っていました。
2つ目は、ジャイロというキャラクターの「人間味あふれる子供っぽさ」の描写です。普段は冷徹な技術を持つ鉄球使いでありながら、実はくだらないダジャレや自作の歌を披露して人を笑わせたがるお茶目な一面を持っています。このギャップこそが、読者を惹きつけてやまない魅力の源泉となっています。