コロナ禍以降、政府や自治体は「リモートワークによる地方移住」を声高に叫んだ。IT企業に勤める若者が自然豊かな田舎で暮らす――そんな美しいライフスタイルがメディアを飾った。だが、現実は甘くない。
移住者がもたらす税収や消費は、地域全体の地盤沈下を止めるには微々たるものだった。さらに深刻なのは、生活インフラの老朽化だ。昭和の高度経済成長期に整備された水道管や道路の更新時期が一斉に到来しているが、それを修繕する財政的余力は多くの自治体に残されていない。デジタルで繋がっても、物理的なインフラが壊れれば生活は成り立たないのだ。