このムーブメントの原点にあるのは、パラスポーツの最前線を長年追い続けてきた写真家・越智貴雄の鋭い視線だ。越智がファインダー越しに出会った義足の女性たちは、競技場で見せる鬼気迫る表情だけでなく、日常の中で息をのむほど艶やかなオーラを放っていた。「義足は隠すものではなく、魅せるものになり得るのではないか」――その確信が、鮮烈なポートレート写真となって結実した。
越智が撮影する写真は、傷跡や切断部分を巧みに隠すような小細工を一切拒絶する。義足のメカニカルな構造と、鍛え上げられた柔らかな肉体のコントラストをありのままに捉え、被写体の内面に眠る誇りを引き出す。単なる被写体と撮影者という関係を超え、互いの魂をぶつけ合うようなセッションから生まれる一枚一枚は、重厚なドキュメンタリーのような説得力を持ち、見る者の先入観を根底から揺さぶり続けている。