長く冷え切っていた二人の関係に変化をもたらしたのは、安達祐実さん自身の出産と母親としての人生経験でした。祐実さんが長女を出産し、自らも子どもを育てる母親の立場になったことで、かつて母・有里さんが背負っていた重圧や孤独、必死さを少しずつ客観的に見つめ直せるようになったと語られています。
また、有里さんが孫に対して注いだ純粋な愛情も、氷を溶かす大きなきっかけとなりました。祖母として孫を可愛がる姿を見る中で、祐実さんの心のトゲが次第に抜け落ちていったのです。
決定的な大事件によって一瞬で仲直りしたのではなく、何年もの歳月をかけて距離を測り直し、一歩ずつ対話を重ねた末の自然な雪解けでした。「親も一人の不完全な人間である」という相互理解が生まれたことで、かつての愛憎劇を乗り越えた成熟した大人の親子関係へと昇華しました。