パワーというキャラクターがこれほどまでに愛される理由は、その劇的な内面的成長にあります。第1話当初のパワーは、人間を「見下すべき食料」としか捉えておらず、自分の安全のためなら平気でデンジをコウモリの悪魔に生贄として差し出すほどの残酷さを持っていました。
そんな彼女を変える最初のきっかけとなったのが、唯一心を許していたペットの猫・ニャーコでした。ニャーコを救うために必死になり、デンジに助けられたことで、彼女の中に初めて「他者を大切に思う感情」が芽生えます。
その後、早川アキの自宅でデンジとともに過ごしたドタバタの共同生活は、擬似的な「家族」そのものでした。闇の悪魔との遭遇で重度のトラウマを負った際には、デンジに甘え、互いに依存し合うほど深い精神的絆を形成していました。身勝手な悪魔だった少女が、最期には「自分以外の誰かのために命を差し出す」という最も人間らしい愛を獲得して散っていったプロセスこそが、読者の涙を誘う最大の魅力です。