現代の韓国料理界で最も注目を集めているのが、韓国の食文化の根幹をなす発酵調味料「醤(ジャン)」への回帰と再解釈だ。カンジャン(醤油)、コチュジャン(唐辛子味噌)、テンジャン(大豆味噌)といった調味料を、シェフ自らが手作業で何ヶ月も、時には数年かけて自家醸造する動きが広がっている。
一口味わうと、口いっぱいに広がるのはトゲのないまろやかな塩気と、時間をかけて育まれた圧倒的な深い旨味。熟成された発酵の力が、和牛のジューシーな脂や旬の魚介の甘みを極限まで引き立てる。この複雑な味わいのレイヤーこそが、食通たちの舌を唸らせてやまない秘密だ。