警察学校の厳しさを一躍世に知らしめた作品として、作家・長岡弘樹によるベストセラー小説を原作としたドラマ『教場』がある。フジテレビ制作により、木村拓哉が冷徹な教官・風間公親を演じたこの名作は、FODやNetflixなどの動画配信プラットフォームを通じて幅広い層に視聴され、警察学校という特殊な世界の知名度を飛躍的に高めた。
作品内で描かれる教官の鋭い洞察力や、適性のない者を振るい落とす冷徹なふるまいは、フィクションとして高い評価を受けた。しかし、実際の現場を知る関係者が口を揃えるのは「作品のような『適性を見極めるための厳しさ』と、現実に行われている『鬱憤晴らしのイジメ』は全く別物だ」という点である。過酷な訓練という名目の陰で、権力を笠に着たハラスメントが肯定されてしまう風潮こそが、警察機構の大きな脆弱性と言えるだろう。