インターネット上の掲示板やSNSでは、時に「ブラジルは南米特有のフィジカルとパワーで押し切っているだけ」という論調が見受けられます。しかし、これは世界のバレーボール戦術を知る専門家から見れば完全な誤解です。
ブラジル女子代表の真の恐ろしさは、「世界屈指の大型チームでありながら、世界一細かいディフェンス技術を徹底している点」にあります。身長180cmのアウトサイドヒッターであるガビが世界最高峰の評価を受ける理由は、そのスパイク力以上に、リベロ並みのサーブレシーブ返球率とコート奥へのカバーリング能力にあります。
パワーに頼るだけのバレーボールは、サーブで崩された瞬間に機能停止に陥ります。しかしブラジル代表は、悪球(ハイボール)を打ち切る技術、ブロックアウトを意図的に狙う巧みなリバウンド処理、セッター以外の選手による二段トスの精度が極めて高く、ラリーが長引くほど組織力で相手を凌駕するタフネスを持っています。