料理番組を極上のドラマへと昇華させたのは、主宰を務めた鹿賀丈史氏の圧倒的な存在感と緻密に計算された演出でした。黒のロングコートや華麗な衣装に身を包み、黄色いパプリカをかじりながら放つ「私の記憶が確かならば…」というオープニングの決め台詞は、一世を風靡する社会現象となりました。
番組を象徴する劇伴音楽には、映画『バックドラフト』のメインテーマ(ハンス・ジマー作曲の「Show Me Your Firetruck」)が採用されました。重厚で緊迫感あふれるブラスサウンドが、まるで戦場のようなキッチンスタジアムの熱気とシンクロし、視聴者を画面へと釘付けにしたのです。福井謙二アナウンサーのプロレス中継さながらの白熱した実況と、服部幸應氏の的確な解説という黄金コンビも、番組の緊迫感を支える不可欠なピースでした。