歌舞伎町のストリップの歴史を語る上で欠かせないのが、職安通り近くのビルで長年営業を続けた伝説的名門「新宿TSミュージック」です。地方からの遠征客や女性ファンも訪れる人気劇場でしたが、なぜこの劇場は幕を下ろすことになったのでしょうか。
閉店に至った最大の引き金は、警察当局による継続的な摘発と風営法適用の厳格化にあります。ストリップ劇場では、踊り子の身体の一部を観客に過度に見せる演出や接触行為が刑法の公然わいせつ罪や風適法違反に問われるリスクを常に抱えていました。TSミュージックは複数回にわたる捜索や営業停止処分を受け、看板を守り続けることが極めて困難な状況に追い込まれていきました。
さらに追い討ちをかけたのが、建物の老朽化と歌舞伎町全体の安全基準の見直しです。雑居ビルの防災対策や耐震基準が厳格化されたことで、改修費用を捻出できなかった個人経営の劇場は撤退を余儀なくされました。こうして名物劇場の灯が消え、歌舞伎町ストリップの歴史に終止符が打たれたのです。