都心部の相次ぐ再開発によって、東京の景観はここ数年で急速に均一化が進んだ。日常の買い物の場はオンライン決済や大型スーパーへとシフトし、かつてあちこちに見られた個人商店の街並みは激減している。しかし、砂町銀座商店街のアーケードなき路地には、そうした効率主義とは一線を画す独自の時間が流れている。
幅わずか数メートルの通りに100店舗以上の個人商店がひしめき合う景観は、計画的に作られたショッピングモールには決して真似できない高密度な人間模様を生み出す。ふと足を止め、店主と世間話を交わしながら品物を選ぶ。この一見すると無駄にも思えるコミュニケーションの積み重ねこそが、殺伐とした都市生活で希薄化した地域連携を補完する不可欠なインフラとなっている。