お笑い界に目を向けると、爆笑問題の太田光をはじめ、吉本興業に所属するベテランから中堅芸人まで、無数の芸人たちが矢沢の「言葉」に心を救われてきた歴史がある。言葉の鋭さとユーモアで勝負する芸人たちにとって、自伝『成りあがり』に代表される矢沢のストレートで力強いメッセージは、人生のバイブルそのものだ。
太田光は、自身が苦境に立たされていた時期や表現の壁にぶつかった際、矢沢の思考法や信念にどれほど救われたかを熱く語っている。また、吉本興業の若手時代に「矢沢の曲を聴いて出番に臨んだ」「矢沢の生き様に自分の芸人魂を重ね合わせた」と回想する芸人は数知れない。厳しい下積み時代を乗り越えるための心の支柱として、矢沢永吉という存在は今なお芸人たちの胸に深く刻み込まれている。