「3ナンバーに乗ると税金が高くなる」というイメージを持つドライバーは今なお少なくありません。しかし、これは1989年(平成元年)3月以前の旧税制に基づく完全な誤解です。当時の税制では3ナンバー車に「贅沢税」的な高額課税が課されており、税額に2倍以上の開きがありました。しかし税制改正以降、ナンバーの数字そのもので税率が変わる仕組みは撤廃されています。
現代の自動車に関わる税金体系は、以下の2つの基準によって極めて合理的に設計されています。
- 自動車税(種別割):ナンバー区分ではなく「エンジンの総排気量」(0.5L刻み)によって税額が決定する。
- 自動車重量税:ナンバー区分ではなく「車両重量」(0.5t刻み)によって車検時に課税される。
例えば、排気量1,500cc・車両重量1,200kgの車であれば、ボディの全幅が1,695mm(5ナンバー)であろうと、フェンダーが張り出して1,720mm(3ナンバー)であろうと、毎年納める自動車税および車検時の重量税は1円たりとも変わりません。
では、なぜ実質的な5ナンバー維持費メリットが語られるのでしょうか。その実態は公租公課ではなく、消耗品や付帯コストにあります。5ナンバー車はタイヤサイズが比較的小径で流通量が多いサイズ(15インチや16インチ等)を採用しているためタイヤ交換費用が安価で済み、車体重量が抑えられていることで実燃費やブレーキパッドの摩耗寿命において有利に働きます。また、立体駐車場やフェリーの航送運賃など、車幅・全長によって料金区分が分かれる施設においてコストを抑えられる実利が存在します。