原作者の堀越耕平が作品の初期構想段階から練り上げていた裏設定の数々は、コミックスのカバー裏や公式ファンブック、インタビュー等で少しずつ明かされてきた。オールマイトのキャラクターデザインのルーツには、アメコミヒーローへの深いリスペクトと同時に、昭和のレトロヒーローが持っていた「圧倒的で絶対的な安心感」の再構築というテーマが存在していたという。
また、「私が来た!」というフレーズ自体にも、集英社の編集担当との推敲を経てブラッシュアップされた経緯がある。当初の案から削ぎ落とされ、洗練された結果生まれたこの短い叫びには、「救う者が現れた」という安心感と、「もう大丈夫だ」という誓いが完璧なバランスで共存している。こうした細部へのこだわりこそが、物語全体に確固たるリアリティと感情移入の深みを与えているのだ。