メディアの寵児としての狂騒も、時代の移り変わりとともに収束していった。晩年の佐川は、脳梗塞を患い、実弟の介護を受けながらひっそりと暮らしていた。かつての派手な露出は影を潜め、アパートの片隅で世間から忘れ去られたかのような日々を送っていたという。
そして2026年11月、佐川は肺炎のため73歳でこの世を去った。彼の死によって、事件の法的な決着や、彼自身の歪んだ精神世界の完全な解明は永遠に失われた。しかし、被害者であるルネさんの遺族が抱え続けた深い悲しみと怒りは、彼の死によって癒えることは決してない。加害者が天寿を全うし、被害者だけが理不尽に奪われたという不条理は、今も重くのしかかっている。