日本において「生ビール」という言葉を気まぐれに使うことは許されていない。1979年に施行された「ビールの表示に関する公正競争規約」により、厳格なルールが敷かれている。この規約を主管するのは国税庁であり、業界団体のビール酒造組合が運用基準を監督している。
規約における定義は極めて明確だ。「熱処理(加熱殺菌)を行っていないビールであること」。これだけである。つまり、精密ろ過で酵母を取り除いたものであっても、加熱殺菌をしていなければすべて「生ビール(ドラフトビール)」と表示しなければならない。酒類醸造業界がこの表示ルールを徹底遵守した結果、現在市販されている主要な国産ナショナルブランドの缶ビールは、ほぼすべてが規約上の「生ビール」に該当することになった。