ヒナの死因として最も多く報告される病気のひとつが「そのう炎」だ。喉元にある消化器官「そのう」の中で餌が滞留し、雑菌やカンジダなどの真菌が異常繁殖して炎症を起こす感染症である。鳥類臨床研究会やエキゾチックアニマル診療に携わる獣医師たちは、この病気の引き金が飼い主の些細な油断にあると警鐘を鳴らす。
発症を防ぐ最大の鉄則は、「前回の食事がそのうから完全に消えるまで、次の挿し餌を与えない」ことだ。前の餌が残っている状態で新しい餌を流し込むと、古い餌が体温で発酵・腐敗し、あっという間に病原菌の温床と化す。餌を与える直前に胸元をそっと指先で触れ、そのうが平らになっているかを確かめなければならない。
さらに、給餌器具の徹底的な煮沸消毒や薬液消毒、作り置きフードの絶対禁止も不可欠だ。もしヒナが嘔吐したり、口から酸っぱい異臭を放ったり、食欲が急減した場合は、一刻の猶予もなく鳥類専門の動物病院へ駆け込む判断が求められる。