観光立国としてインバウンド需要が過去最高を更新する中、宿泊・ホテル業界(Hospitality Industry)や、個人宅などを貸し出すAirbnbといった民泊プラットフォームは予期せぬ衛生上の難題に直面している。トコジラミは宿泊者のスーツケースの縫い目や衣服の隙間に潜り込み、国境や都道府県を越えて容易に移動する。
厚生労働省や自治体の保健所には、宿泊施設からの相談が相次いで寄せられている。公衆衛生学(Public Health)の視点からも、トコジラミは感染症を媒介しないとはいえ、宿泊客の健康被害や精神的苦痛、施設の営業停止や風評被害といった甚大な社会的・経済的損失を引き起こす存在として警戒が強まっている。
高級ホテルから格安ゲストハウスまで、清潔さに関係なく被害は発生する。トコジラミはゴミや汚れに集まるのではなく、純粋に「人の呼気(二酸化炭素)と体温」を感知して寄生するためだ。