深紅の大優勝旗を目指す大阪桐蔭高等学校。昨今の過酷な夏を勝ち抜くため、西谷浩一監督が敷くのは絶対的エースひとりに依存しない分厚い投手陣の継投策だ。最速150キロ超を誇るプロ注目の右腕だけでなく、変則フォームの技巧派サウスポーやチェンジアップでタイミングを外す軟投派など、異なる球種・球速を持つ投手陣を複数枚揃える。
公益財団法人日本高等学校野球連盟が定める投球数制限への対応は、今や強豪校の勝敗を分ける最大のファクターとなった。西谷監督は打者の巡り合わせやイニングごとの球数を冷徹に計算し、相手打線に的を絞らせない小刻みな継投を完遂する。圧倒的な打線力に目を奪われがちだが、本質は守備の破綻を防ぎ、最少失点でゲームを支配する計算されたディフェンス力にある。