私生活で大きな転換期を迎えようとも、ステージ上の輝きが曇ることは一切なかった。演歌の枠組みを軽やかに超え、日本の歌謡曲史に燦然と輝く名曲『舟唄』や『雨の慕情』。雨が降れば自然と口ずさまれるそのメロディは、世代を超えて日本人の心に深く根付いている。
毎年の風物詩である『NHK紅白歌合戦』の舞台でも、彼女は圧倒的な存在感を放ち続けた。哀愁と情念をしなやかに歌い上げる表現力は、数々の修羅場をくぐり抜けてきた人生経験そのものだった。スポットライトを浴びて歌う姿には、私生活での孤独や迷いを一切感じさせない、本物のプロフェッショナルとしての矜持が宿っていた。