青い海と過酷な医療現実。その強烈な対比の中で物語を牽引したのが、吉岡秀隆演じる主人公・五代雄介(コトー先生)だ。一見すると頼りなく見える一人の青年に過ぎなかったコトーが、島民たちの命と向き合い、自らの孤独や迷いと葛藤しながら泥くさく成長していく。このヒューマンドラマの背後で流れる楽曲は、単なる雰囲気を盛り上げるBGMではなかった。
吉岡秀隆の佇まいには、静けさと内に秘めた熱量が同居している。中島みゆきが紡いだ「静かに波打つようなメロディから激流へと変わるサビの展開」は、まさにコトーの内に秘めた意思そのものだ。画面の中で命を繋ごうと格闘する吉岡の眼差しと、ボーカルの凄まじい緊迫感がシンクロした瞬間、テレビドラマの枠を超えた没入感が生まれた。