冷凍保存における最大の盲点は、「開封」という行為がもたらす劇的な環境変化にある。未開封の完全密封パッケージであれば、工場出荷時の脱気・ガス置換状態が保たれ、長期間にわたって酸化を防ぐことができる。この状態が守られている限り、賞味期限を多少過ぎても急激な変質は起こりにくい。
対照的に、一度ハサミを入れて外気に触れさせた瞬間から、保存限界の時計は猛スピードで進み始める。袋の隙間から入り込んだ空気中の水分は霜となり、食品自体の水分を奪い去っていく。開口部を輪ゴムやクリップで留めた程度では、空気の流入を完全に遮断することは不可能だ。
一般的に、開封後の冷凍食品は賞味期限の印字にかかわらず、2週間から最長でも1ヶ月以内に消費し切ることが強く推奨される。冷凍庫を単なる「タイムカプセル」と過信してはならない。