多くのファンが「湯婆婆の油屋のモデルはここだ」と信じて疑わない。確かに、銀山温泉を代表する木造宿「能登屋旅館」の佇まいは、赤い橋と相まって映画の冒頭シーンを強く想起させる。しかし、スタジオジブリ側は特定のモデルを明言しておらず、日本各地の様々な温泉地からインスピレーションを得たとしているのが公式な見解だ。
だが、真実がどちらであれ、旅人にとってはどうでもいいことなのかもしれない。目の前にある木造バルコニーや、湯気が立ち上る川の景色が、彼らの心の中にある「あの世界」と完全にリンクしていることこそが重要なのだ。