多くの30代・40代にとって、人形劇の原風景といえば「にこにこ、ぷん」だろう。袋小路じゃじゃ丸、ふぉるてしも・ぴっころ、ぽろり・カジリアッチⅢ世の3人が繰り広げる日常は、10年半という歴代最長の放送期間を誇る。彼らが暮らす「にこにこ島」は、どこか大らかな昭和の空気を残していた。しかし、単なる仲良しグループではない。暴れん坊の山猫、おしゃまなペンギン、そして泣き虫のネズミという、全く異なるバックグラウンドを持つ者同士がぶつかり合いながらも共存する姿は、当時の子どもたちに「他者との関わり方」を無意識のうちに教えていた。
その後を受けた「ドレミファ・どーなっつ!」では、さらに一歩進んだ。主役のコアラの双子、みどとふぁどは、オーストラリアからやってきたという設定だ。国際化が進む90年代の日本社会を映し出すかのように、番組は「違っていて当たり前」というメッセージを発信し始めていた。