彼の圧倒的な異国感を見事に昇華させ、日本中を爆笑の渦に巻き込んだ作品といえば、映画『テルマエ・ロマエ』を外すことはできない。原作者である漫画家・ヤマザキマリが描く奇天烈な世界観の中で、彼は主人公の古代ローマ人建築技師ルシウスを見事に体現してみせた。
配役が発表された当初、日本人が古代ローマ人を演じるという無謀とも思える試みに、映画業界やファンからは驚きの声が上がった。しかし、ひとたび試写が始まると評価は一変。顔の濃い実力派俳優たちが顔を揃えた現場の中でも、彼の存在感は群を抜いていた。イタリアのチネチッタスタジオでの撮影中、現地の外国人スタッフやエキストラから「本物の古代ローマ人のようだ」と大絶賛されたエピソードはあまりにも有名だ。質の高いコメディ映画として歴史的大ヒットを記録した背景には、彼の完璧な役作りと、自らの「濃い顔立ち」を最大限の武器に変えるセルフプロデュース能力があった。