では、一般的な「神社」とは何が違うのだろうか。その決定的な差は、祀られている「主祭神」のアイデンティティにある。神社は、日本古来の八百万(やおよろず)の神々を祀る場所の総称だ。自然崇拝に由来する山の神や海の神、さらには菅原道真(天満宮)や徳川家康(東照宮)のように、歴史上の偉人を神格化したケースも含まれる。
つまり、地域の人々の暮らしに密着し、厄除けや商売繁盛、学業成就などの身近な願いを聞き届けてくれるのが「神社」であるのに対し、国家の安泰や皇室の繁栄を祈る公共性の高い場所が「神宮」という切り分けになる。この対象の違いが、境内の空気感や参拝時の緊張感の差となって現れるのだ。