大相撲の華やかな世界をテレビ越しに見ていると、「力士になれば贅沢な暮らしができる」と錯覚しがちです。しかし、そこには一般にあまり知られていない厳しい現実と誤解が存在します。
誤解1:入門すれば誰でも給料がもらえる?
真相:現役力士の約88%は月給ゼロの修業身分です。
大相撲の登録力士約600名のうち、月給が支給される関取(幕内42名+十両28名=計70名)は全体のわずか12%前後に過ぎません。残りの約88%は、年6回の場所手当だけで生活する「力士養成員」であり、部屋の共同生活や親方の庇護がなければ生計を立てることは不可能です。
誤解2:幕下上位まで行けば将来は安泰?
真相:幕下1枚目と十両最下位の間にある「1勝の壁」が人生を分ける。
幕下上位(東西の1〜5枚目)は、あと1勝勝ち越せば関取に上がれる位置です。しかし、ここで勝ち越して十両に上がるか、負け越して幕下に残留するかで、年間1,500万円以上の給料と社会的ステータスが一瞬で消落します。10年以上幕下上位を行き来しながら、一度も関取に上がれずに引退していく力士も珍しくありません。