本物の味わいを担保する上で欠かせない存在が、ナポリに本部を置く「真のナポリピッツァ協会」だ。厳格な審査をクリアした店舗のみに与えられる称号は、品質に対する揺るぎない保証書でもある。生地の材料は小麦粉、水、酵母、塩の4種のみ。一切の化学添加物を排除した伝統の配合が守られている。
窯の前に立つ最高峰のピッツァイオーロ(ピザ職人)は、生地を素早く伸ばし、約90秒という一瞬の勝負に全神経を注ぐ。薪のくべ方や窯の中の微妙な空気の流れを読み取る職人技が生み出す焼き目は、まさに芸術の域。ふっくらと膨らんだ縁(コルニチョーネ)に閉じ込められた空気と旨味が、理想的なナポリピッツァの骨格を形作っている。