ワールド・ベースボール・クラシックには、他の国際大会とは大きく異なる独自の選手資格規定がある。本人の国籍だけでなく、両親のどちらかが当該国で生まれているか、あるいは国籍を有していれば代表権が得られるというルールだ。ヌートバーの母・久美子さんは日本人。幼少期から日本文化に触れ、和食を愛して育った彼には、ルール上も精神的にも侍ジャパンの一員となる資格が十分に備わっていた。
MLBの第一線で戦うメジャーリーガーが、自国の代表ではなくルーツを持つ国の代表として出場する。グローバル化が進む世界最高峰のリーグにおいては決して珍しくない現象だが、当時の日本球界にとっては初の試みだった。この大胆な枠組みの活用が、後にチームの運命を大きく変えることになる。