脇を固める顔ぶれの豪華さも、本作の大きな見どころだ。二郎の良き理解者であり、熱血漢の同僚・本荘役には西島秀俊。落ち着きの中にも情熱を秘めた声音が、青臭い二郎との固い友情をリアリティたっぷりに魅せる。
二郎が夢の中で対話するイタリアの飛行機設計家カプローニ伯爵には、狂言師の野村萬斎が起用された。浮世離れした大らかさと知性を併せ持つカプローニの存在感は、野村の伸びやかで品格ある発声によって完璧に表現されている。さらに、上司である黒川役の西村雅彦が見せる厳しさと温かみの同居する演技も必聴だ。映画全体の骨格は、こうした一流表現者たちの厚みある声によって強固に支えられている。