よく混同されがちな表現に「なんのその」があります。どちらも困難をものともしない姿勢を示す言葉ですが、その視点とニュアンスには明確な使い分けが存在します。
「なんのこれしき」は、自分自身に降りかかったプレッシャーや苦痛に対して「耐えてみせる」「克服してみせる」という内なる闘志・自己鼓舞に主眼が置かれます。主語は基本的に自分自身(またはチーム)です。
対して「なんのその」は、「雨風なんのその」「周囲の反対なんのその」というように、外部からの攻撃や障害を軽く受け流して前進する客観的な様子を表現する際に使われます。「相手の攻撃を屁とも思わない」という、外向きの軽視や撥ね退ける勢いが強調される点が大きな違いです。