「見る機会は10年に1回あるかないか」。都内に暮らす40代の男性会社員は苦笑交じりに語る。都市部を中心とした住まいのコンパクト化が進み、場所を占有する大型アルバムは真っ先に整理対象へ挙がる。
加えて、2026年現在は顔認識検索や画像生成AIをめぐるセキュリティ意識が過去最高水準に達している時代だ。万が一にも個人の写真データや名簿が第三者の手に渡るリスクに対する警戒感は、数年前とは比べものにならないほど高まった。物理的な「所有」のコストとリスクが、ノスタルジーの価値を上回り始めた現実がそこにある。