シンガーソングライター・諫山実生の手による楽曲構成も、当時の子ども向け楽曲の概念を鮮やかに打ち破った。3拍子のワルツのリズムに、哀愁を帯びたマイナーコードの進行。そして根岸貴幸による華麗でスリリングな編曲が加わることで、楽曲は極めて高次元なポップアートへと昇華している。
サビで一気に吹き抜ける管楽器のアコースティックな響きと、伸びやかなボーカル。諫山の実直でありながら妖艶な歌声は、月夜の魔法にかかったかのような幻惑感を聴き手に与える。幼少期には「言葉の意味は分からなくてもメロディの切なさが刺さった」という声が多く、大人になって音楽的アプローチの高度さに再び驚かされるケースが後を絶たない。