朝日新聞の誤報と虚偽報道の深層|吉田調書から珊瑚事件まで徹底解剖

朝日新聞の誤報と虚偽報道の深層|吉田調書から珊瑚事件まで徹底解剖

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朝日新聞にとって2014年は、創刊以来最大の危機を迎えた年でした。8月の慰安婦報道検証特集から、9月の吉田調書誤報の全面謝罪に至る怒濤のプロセスは、ジャーナリズム界の歴史的な転換点となったのです。

吉田調書の歪曲:調書原本に記されていた決定的な文言

問題となった吉田調書の記述において、吉田昌郎所長は実際には次のように述べていました。 「福島第一原発の敷地内、比較的放射線量の低い場所で待機せよ」という意図で指示を出したものの、当時の極限状態の中で放射線防護設備が整っていた福島第二原発(約12km南)へ一時的に退避した所員がいたという経緯です。吉田所長自身も調書の中で「現場の混乱であり、彼らが逃げたわけではない」という趣旨の理解を示していました。 ところが、朝日新聞の特別報道部は「命令に違反して撤退した」という極端なナラティブを構築しました。政府の非公開文書をスクープしたという高揚感が現場を支配し、「英雄視されていた東電現場の闇を暴く」という予断が冷静な精読を妨げたのです。産経新聞や読売新聞が相次いで原本を入手し、「命令違反の撤退という事実はない」と批判報道を展開すると、朝日新聞の立場は一気に苦境へと追い込まれました。

木村伊量社長の深夜謝罪会見と池上彰氏コラム掲載拒否事件

窮地に立たされた朝日新聞は、さらなる致命的な悪手を打ちます。ジャーナリストの池上彰氏が連載コラムで「慰安婦報道の検証記事において、過ちを認めたのなら読者に謝罪すべきだ」と批判したところ、同社はコラムの掲載を拒否したのです。 この措置が外部に露見すると、言論機関としての独立性と公平性を疑う声が社内外から噴出。自社の記者たちからもSNS上で経営陣を公然と批判する異例の事態へと発展しました。 追いつめられた経営陣は2014年9月11日午後10時30分、緊急記者会見を開きました。公の場に現れた木村伊量社長(当時)は、沈痛な表情で深々と頭を下げ、次のように述べる事態となったのです。 「吉田調書の解釈を誤り、『命令違反で撤退』とした記事は誤報でした。記事を取り消し、関係者と読者の皆様に深くお詫び申し上げます。また、池上氏のコラム掲載見合わせという判断も、言論の自由を掲げる新聞社としてあるまじき過ちでした」 深夜に及んだこの謝罪会見はテレビ各局で生中継され、強大な影響力を持っていたエリート新聞社が公に屈服した瞬間として国民の脳裏に焼き付けられました。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。