日本を代表するパティシエである辻口博啓氏をはじめ、トップシェフたちが手掛ける洋菓子には、緻密に計算されたグラフィックデザインの視点が息づいている。無造作に見える盛り付けも、実は視線を自然に導く法則に基づいているのだ。
基本となるのは「アシンメトリー(非対称)の美学」である。ケーキの中心からあえて少しずらした位置にメインとなる大粒のイチゴやシャインマスカットを配置し、そこからS字を描くように小さな果実を流していく。この流れが、見る者の視線を生み出し、躍動感を与える。
一方、クラシックで洗練された雰囲気を演出したい場合は、完璧な「三角形構図」が効果を発揮する。主要なフルーツを3点に配置し、視覚的なバランスを取ることで、静寂の中に美しさが宿る完璧なアプローチが完成する。