アニメーション界の巨匠・宮崎駿氏が手がけるイメージボードや背景美術の原画には、常に手描き画材独特の温もりが宿る。その哲学に深く焦点を当てた『ジブリ美術館特別展示企画』では、作画の思考プロセスとともに実際に使用された筆記具や画材が公開され、大いに注目を集めた。
展示会場で一際存在感を放っていたのが、長年使い込まれたユニカラー (Uni Color)のセットだ。デジタル処理が主流となった現代アニメーション制作においても、アイデアの初期段階における感情の機微や色彩感覚の検証には、直感的に色彩を叩き込めるアナログ画材が不可欠である。宮崎氏の圧倒的な画力とこだわりを支える道具として、その存在感は揺るぎない。