秋山亮太の名を国際的なデザインシーンに知らしめたのが、代表作「CRACKS AND SHRINKS」です。
このプロジェクトは、塗料の乾燥速度の違いによる表面の「亀裂(CRACKS)」と、ポリスチレン(発泡スチロール等の樹脂素材)の化学的・熱的な「収縮(SHRINKS)」に着目した研究的アートワークです。
予測不可能なプロセスをコントロールする技術
ポリスチレンに特殊な塗料や溶剤を塗布すると、表面は急速に収縮し、予測困難な複雑なパターンを形成します。秋山は単に材料を放置するのではなく、塗布量や乾燥環境を厳密に観察・微調整することで、ランダム性と意図的なデザインの絶妙な拮抗状態を作り出しました。
結果として生み出される立体物は、まるで長年の地殻変動を経た鉱物や、古木の肌を思わせる重厚なテクスチャーを備えています。軽量なポリスチレンという素材の既成概念を覆す視覚的錯覚が、鑑賞者を強く引きつけます。