ビジネスの世界でも変化の兆しがある。従来の「等価交換」を前提とした市場経済に対し、近年では「ギフトエコノミー(贈与経済)」と呼ばれる新たな経済圏が注目を集めている。見返りを求めずにスキルや物資を提供し、受け取った側はまた別の誰かにそれを送る。この循環が、地域コミュニティやオンラインのプラットフォームで活発化している。
「奪い合うのではなく、分け合う」。一見すると綺麗事のように思えるが、これが結果的に個人のセーフティネットを強固にする。困ったときに誰かが助けてくれるという無形の信頼貯金は、不確実性の高い現代において、銀行の預金残高よりも心強い資産になり得るのだ。