スーツにまつわる最大の誤解は、「ハイブランドの15万円以上のスーツを買えば、誰でも自動的に格好良くなれる」という思い込みです。これはファッション業界のマーケティングが生んだ幻想にすぎません。
どれほど高価なインポート生地(イタリア製やイギリス製の高級服地)を使用していても、肩幅が合っていなければ生地の重みで不自然なドレープが生じ、かえってだらしなく見えます。むしろ、Super150'sなどの極細繊維を使用した超高級生地は非常に繊細でシワになりやすく、日常のデスクワークや通勤で着ると数時間でクシャクシャになり、清潔感を損なうリスクすらあります。
逆に、適度な耐久性と復元力を備えた国産や実用的なウール生地であっても、肩・胸・腰の3点が寸分違わずフィットしていれば、佇まいは何倍も端正に見えます。「価格」ではなく「身体への適合率」こそが、スーツスタイルの価値を決める絶対指標です。