アンカラが選ばれた最大の理由は、アナトリア半島のほぼ中央に位置するという圧倒的な防衛上の優位性にある。四方を海に囲まれた沿岸部は敵軍の艦砲射撃や奇襲に晒されやすいが、標高約900メートルの高地に広がるアンカラは、天然の要塞として機能した。
近年の地政学・海外旅行ガイドの分析でも再評価されているように、中央アナトリアの高原地帯に中枢を据えたことで、東はコーカサスや中東、西はバルカン半島へと広がる広大な国土全体に睨みを利かせることが可能となった。かつてローマ街道やシルクロードの宿場町として栄えたこの地は、近代トルコにおいても東西南北を結ぶ交通の結節点として、極めて合理的な立地だったといえる。