森山未來さんを語る上で欠かせないのが、役柄に自らの肉体を極限まで同化させる「憑依型」のアプローチです。彼が見せる急激な体重変化や研ぎ澄まされた体躯は、病気による衰弱ではなく、綿密な計算と自己管理のもとで行われるプロフェッショナルの肉体改造にほかなりません。
例えば、映画『苦役列車』では鬱屈とした日雇い労働者を演じるために生活リズムから変貌させ、ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では落語家・古今亭志ん生(美濃部孝蔵)の若き日を演じるにあたり、時代背景と人物の枯淡さを表現するため徹底的に贅肉を削ぎ落としました。
ダンサーとしての活動時にも、脂肪を極限まで落とした鋼のような筋肉美を披露しており、骨格が浮き出るほどのシャープな輪郭が「激痩せ」と受け取られることがあります。しかし、それは病気の兆候どころか、強靭な体幹とスタミナを保ち続けるためのアスリート並みの節制の証です。