レゼ篇の魅力は、破滅的なアクションと背中合わせに存在する「束の間のみずみずしい青春」にある。雨宿りの学校、夜のプールでの水泳、祭りの夜。学校に通ったことがないデンジと、兵器として教育されてきたレゼ。二つの欠落した魂が響き合うシークエンスは、凄惨な争いが続く物語の中で奇跡のような美しさを放っていた。
「逃げよう、一緒に」――その提案が嘘か真実か、読者の意見は今も割れる。死闘の末、デンジに敗れたレゼは姿を消すチャンスを得ながらも、約束の喫茶店へと向かう足を選んだ。そこに待っていたのはデンジではなく、支配の悪魔・マキマによる無慈悲な急襲であった。
切符を握りしめたまま路地裏で静かに倒れる最後は、ジャンプ史上でも稀に見る哀愁に満ちた幕引きとなった。デンジが喫茶店で花束を持って待ち続ける姿と、届かなかったレゼの歩み。すれ違いの悲劇は、二人の運命を決定的に引き裂いた。