『LIFE SHIFT』が社会に与えた最大の衝撃は、「長寿化は恩恵であると同時に、備えのない者にとっては深刻なリスクになる」という冷徹な事実を突きつけた点にあります。著者のリンダ・グラットン氏らは、過去200年間にわたり10年ごとに平均寿命が2〜3年ずつ伸び続けている客観的データを提示しました。
このペースが続けば、2007年生まれの日本人の半数が107歳まで生きるという試算が示されています。寿命が100歳まで伸びるということは、80歳前後まで働き続けなければ経済的な基盤を維持できない現実を意味します。かつての「80年寿命モデル」を前提に作られた雇用制度や退職金、社会保障に依存した生き方は、もはや構造的に破綻を迎えています。