公共の財産である街路樹に除草剤を散布し、枯死させてまで排除しようとした背景には、旧ビッグモーター特有の極端な成果主義と恐怖政治が存在していました。その決定的な引き金となったのが、当時の経営陣が毎月実施していた「環境整備点検」です。
環境整備点検では、前副社長ら幹部が各店舗を巡回し、店舗周辺の清潔さや美観を極めて厳格にチェックしていました。その評価基準は常軌を逸しており、敷地内はおろか歩道や街路樹の植樹帯に「雑草が一本生えている」「落ち葉が落ちている」だけで即座に大幅減点となり、店長をはじめとする店舗責任者が降格や減給などの過酷なペナルティを課される仕組みでした。
さらに、歩道沿いの街路樹が大きく茂ることで「道路から展示車両が見えにくくなる」という営業上の理由も重なりました。本来であれば自治体に剪定を依頼すべきところを、日々の清掃負担の軽減と展示車両の視認性向上、そして何より幹部による査定での失点を回避したいという現場の追い詰められた心理が、除草剤の計画的散布という違法行為に走らせたのです。